■質問者
松尾先生!
出版をきっかけに超大物になった人はいるのですか?

■松尾先生
います。

■質問者
誰ですか?

■松尾先生
皆さんご存知の田中角栄さんです。

■質問者
田中角栄は何をしたのですか?

■松尾先生
田中角栄さんは日本列島改造論という本を出して総理まで登り詰めた人です。

■質問者
日本列島改造論を出してそれがどういう社会ブームだったのですか?

■松尾先生
実は田中角栄さんは自民党総裁選が世に出るきっかけになったのです。
当時の自民党の総裁選で対抗馬いわゆる本命視されていたのが福田赳夫さんでした。
福田さんは本命視されていました。

福田さんはもともと東京大学を卒業してから大蔵官僚、今の財務省の官僚でした。
国会議員になったというピカピカの経歴です。

そこに対抗馬として出てきたのが若き田中角栄さんでした。
新潟の土建屋の経営者として日本を変えるということで政治を志しました。

その時に真っ向勝負ではエリートには勝てないということで自民党の総裁選の前月に
先ほど言った日本列島改造論を極秘で緊急出版したのです。

その本に何が書かれたかというと自分が総理総裁になったら地方と東京の格差をなくすということです。
具体的には人とお金を動かし一極集中ではないようにするということです。

当時は東京一極集中で地方から東京に来るのに一泊しなければならないような時代でした。
そこに新幹線と高速道路を張り巡らして流通網を作るとしました。

そうすると東京に行きやすくなるし東京の人も地方に行くようになります。
それを全部やるのだと主張しました。

当時、田中角栄さんが総理総裁選に出た頃は当然インターネットがない時代でした。
SNSも当然ありません。
そうすると自分から情報発信できるのはテレビやラジオや新聞や雑誌や書籍です。

書籍以外のメディアは生放送でもない限り情報を歪めて伝えることもできるわけです。
なぜかというと本命視されていたのは福田さんだったからです。
田中さんは泡沫候補とまではいきませんが勝つわけがないと思われていました。

そうするとメディアとしては福田さん有利に発信して田中さんの言ったことを歪める可能性があります。
なので、田中角栄は自分で本を書きました。

それを読んだ地方の人たちが我々の代表だと感じました。
当時大学進学率は10%もありませんでした。
ほとんどの方が高卒でまだ中卒もたくさんいた時代です。

我々と同じ田舎者で中卒だけれども自分たちの代表として日本を変えてくれるのだと思いました。
まして、地方にお金と人を流してくれるのだということで地方票が動いたのです。
そして総理総裁になりました。

その後、政治家がこぞって本を出すようになりました。
まさにそのファーストペンギンであり一番最初の人なのです。

■質問者
他に政治家以外で本を出して人生がガラッと変わった人はいますか?

■松尾先生
五体不満足の乙武さんではないでしょうか。

■質問者
あれもすごいですね。

■松尾先生
あの方は600万部ですからね。
こういう言い方をすると怒られるかもしれませんが日本で一番名の知れた障害者の方です。

■質問者
600万部と言ったら仮に印税が10%だとしたらいくらぐらいになるのですか?

■松尾先生
600万部だから9億円です。
それもとんでもない金額ですが講演やセミナー活動でその何倍も稼いでいると思います。
あのレベルになるとブーム期ならワンステージ2時間で300万円とかではないでしょうか。

■質問者
やはり本はすごいですね。

■松尾先生
『人生がときめく片づけの魔法』のこんまりさんも世界で300万部だったと思います。
アメリカのAmazonで1位になって彼女も人生が変わっています。

実は本で人生が変わった人というのはたくさんいます。
NHKの紅白歌合戦があるではないですか。
1人その年のベストセラー作家枠というのが審査員になります。
僕が覚えているのはこんまりさんもなっています。

『もしドラ』の岩崎夏海さんも確かヒットしたその年の暮れにNHK紅白の審査員をやっています。
もしドラとは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』です。
それぐらいベストセラー作家というのは認知されている、または評価されているのでしょうね。