伝わるビジネス書が書ける8つのルール。
この「伝わる」というのが大事です。

最終的には読者に伝わるということですが
ここではまず編集者に伝わると思ってください。

その前段階としてコーチやOBOG・同期など
自分以外の人に伝わる文章ということです。

1つ目はおいしいネタは先に出すことです。
読んでもらえなければ意味がありません。
皆さんのコアコンテンツそしておいしいフレーズを
1行目2行目3行目に書いてください。

推理小説は最後に犯人が書かれており
最後まで読んでもらうことを前提に構成されています。

しかし、ビジネス書は頭から読んで面白くなければ最後まで読んでもらえません。

2つ目はうまい文章でなく分かりやすい文章を書くことです。
ビジネス書や実用書に名文は必要ありません。
自分で良いと思う文章は独りよがりで読者を迷わせる文章と言われます。

では分かりやすい文章とはどういう文章なのでしょうか。

3つ目はメールを書くように文章を書くことです
メールがうまく書ける人は文章もうまく書けます。
今ならFacebookやTwitterのような短文です。
実際ビジネス書や実用書は短文の集まりです。

4つ目は文章の7割をたとえ話で組み立てることです。
たとえ話とはご自身の体験や事実の引用です。

ちなみに体験談は自分の体験でなくても構いません。

友達や親の体験でも良いですし
私はホリエモンや松下幸之助さんの体験なども書いています。

そうすると松尾だけが言っているのではなく
松下幸之助も言っているのだと読み手は納得せざるを得なくなります。

「私はこうやってうまくいきました」
「実はこの方法は松下幸之助さんの本を読んで実践したものです」
「こうしてみたら本当にうまくいき部下が動いたのです」と書きます。

孫正義さんや外国の有名な作家の引用でも良いです。
7割たとえ話で良いのです。

例えば「経済白書2024年版によると」というのも良いです。
「ベネッセ調べによると」などでも良いでしょう。

5つ目は1センテンス、1メッセージです。

1冊、1章、1見出し、1文すべて主張は1つです。
主張が変わったらもう1つ違う文章にしてください。

例えば「大切なことが3つあります」とあったら
1つ目の文章を書き2つ目はもう1つの文章にします。

「大切なことは7個あります」と1文で書くとどれが大切か分からなくなります。
もし7個あるなら1つの章に7個の項目を立てます。

6つ目は読みやすさは「見た目」で決まるということです。

読点は1行につき1つまで5行以上になったら改行してください。
とにかく読んでもらうことが大切です。

なるべく読点(、)でつなげず句点(。)で文を区切った方が良いです。
読点が多いと最初に何を書いたか分からなくなってしまいます。

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」のように
読点を句点に変えられないか考えてみましょう。
文章がうまくなってきたら「しかし」や「だが」を外してみましょう。
逆接の接続詞を外しても文脈で読めるなら不要です。
「しかし」が多いと結局何が言いたいか分からなくなります。

7つ目は共感が7割意外性が3割です。

共感できる内容が7割意外性のある内容が3割ぐらいが良いということです。
これが逆だと「この人の言うことは自分と全然違う」と思われてしまいます。
私の本は8割が共感でき2割が「なるほど」となるように意識しています。

「松尾さんの本はすごくしっくり読めました」
「松尾さんの考えは私にすごく似ていて共感を覚えました」と言われます。

私は大衆に寄せて書いているからです。
多くの人が思うようなことを書かないとついてこられないのです。

「皆さんもそうですよね私もそうでした」
「ただ実はこのように工夫したらうまくいったのです」
これが伝えたかった意外性の2割や3割の部分です。

1行目から「挨拶はするな無礼であれ」などと書いたら「おいおい」と思うでしょう。
挨拶や礼儀は大切ですがそれだけで良いのでしょうか。
もしそれで良いならほとんどの人は成功しているはずです。

実は挨拶をしないで営業が取れる人も世の中にはいるのです。
「ここを知りたくないですか」と問いかけます。

皆が思っていることが7割から8割
そして2割がオリジナルまたは常識を覆すことです。

8つ目は書きやすいところからまず書いてみることです。

書けば書くほど書きたいことが見つかります。
1章目の最初の項目から書く必要はありません。
「これなら書ける」というところから書いていってください。

順番は本にするときに考えれば良いのです。
書いていくうちにだんだん書き慣れてきます。