出版をすると、どんな良いことがあるのかっていうのを
中卒(本当は中央工業専門学校土木科卒)の
田中角栄はなぜ自民党総裁選で東大卒大蔵官僚エリート福田赳夫に勝てたのか?

 

これは1972年だから生まれてない方の方が多いかもしれないけど
私は生まれていました。

 

僕は67年生まれなので。
ここに出てくる福田赳夫さんは我々が知っている福田総理のお父さんです。

 

この1972年当時自民党の総理総裁選は今も昔もね自民党は政権与党なので
ここでトップになった人は内閣総理大臣ですよね。

 

今まで通り東大出てから大蔵省の官僚
今で言うと財務省、その前の大蔵省ですね。

 

官僚の福田さんが既成路線で総理になると言われていました。

 

そこに新潟の田舎から出てきた田中角栄さんは
もう歴史上の人物ですけど当然あの人も若い時があったので田中角栄は田舎から出てきた。

 

俺は絶対国を変えるんだ!って志があった。
ただし正攻法に行ったら勝てないと分かっていたので田中角栄さんは奇策に出ます。

 

自民党の総裁選の前月に日本列島改造論という本を出したら世の中が変わったんですよ。

 

どう変わったかって言うと
「田中角栄さん私たちと同じ中卒だけど本を書くなんてとんでもなく頭がいいんだ」って

 

田中角栄さんが街頭演説をしたりライターさんに色々なお話をして語り起こしして書いたと思いますけど
世間はそんなこと知らないのでそんなこと分からないから「田中角栄は本を書くんだ」と。

 

今でこそ政治家が本を書く
政治家が選挙前になったら本を出すっていうのは多いですけどその走りなんですよ。

 

だから世間的に田中角栄はお金がなくて大学行けなかったのだけどこの本の内容が地方の人に刺さったんですよね。

 

どう刺さったかっていうと中央と地方の格差をなくすという。
具体的には全て東京に向けて新幹線と高速道路を日本全国に繋げるというもので今はそうなっていますよね。

 

高速道路は当然日本全国にあるし新幹線ももういよいよ北海道も九州も結びましたよね。
それがここに書いてあります。

 

もっとすごいのがリニアモーター構想もここに書いてあります。
凄いですよ。

 

この方は土建屋さんの社長です。
だからそういうのがすごく強くて。

 

今はそんなことないけど昔は東京ばかりにお金が集まってズルいって言われたんですよ。
地方は人もお金もないって言って。

 

でもそこに東京都に高速道路ができればトラックで荷物運べるではありませんか。
それをやると言ったことによって地方票が動きました。

 

今でこそ大学進学率って50%超えましたけど
田中角栄さんが20歳の時、大学進学率なんか10%無かったですからね。
ということは選挙権を持っている人の9割以上は中卒か高卒だったわけですよ。

 

だからやっぱり人間って自分と同じような人が頑張っていたら応援するじゃないですか。
それで世論が動いたわけですね。

 

今と違って本の影響力がすごくあったんです。

 

今はインターネットがあるから色んな情報が誰でも発信できるけど
1970年当時、情報は本が新聞かテレビしかなかったんですよ。
テレビも地方に行ったらNHKしか映らなかったわけです。

 

だから今の流通を使ったんですよね。

 

これで田中角栄さんは皆さんご存知のように総理総裁になりました。

 

その後の政治家は別に総理に限らず大臣クラスでも
あと地方の首長も本をたくさん書くようになりましたよね。

 

今はもう選挙前になると色んな方が本書かれていますよね。