■質問者
松尾先生!
一般の方から質問が来ているのですが出版するために絶対に必な条件はあるのですか?

■松尾先生
これはビジネス書・実用書の話です。
1つはコンテンツです。
何を書くかということです。

これを具体的に言うと
普通のサラリーマンの方であなたのコンテンツは何ですかと言われても
どうやって掘り出せば良いかわからないかもしれません。

プロフィールを書いてそのプロフィールで声がかかったとか
昔はできなかったことができるようになったとか売上が150%アップしたとか
残業しないようになったというのも全部コンテンツです。

残業をしないと帰れない人からすると
どうしたら残業しなくても大丈夫なのかというのは欲しい知識です。

■質問者
1兆円企業といった大きな話ではなく
残業を短縮するとか仕事を1.5倍に上げるとか
そういうレベルでもコンテンツになるということですか?

■松尾先生
実は今売れているテーマが時間術や目標設定です。

昭和の時代と平成の中期くらいまでは
松下幸之助や今で言うと孫正義のようなすごい人が売れていましたが
今はインターネットやSNSで見られるのでそれよりも早く帰りたいとか
時間管理が苦手な人にとっては残業しないで終わる方法や時間管理の本はとても欲しいのです。
この令和の時代はそういったジャンルがウケています。

■質問者
確かに言われればそうですね。
売れている本は楽天の三木谷さんや孫正義さんという感じではなく
この作者は誰だというような本がすごく売れていますね。

■松尾先生
漫画や小説は著者名で買うかもしれません。
村上春樹だから買うとか週刊ジャンプに載っている漫画だから買うのですが
ビジネス書や実用書は何を求めるかというと実利です。

実利というのは読んで自分が利益を得ることです。
1700円の本を買ったら1700円以上の利益が出たら良いということです。
それは小さな成功・小さな改善で良いのです。

■質問者
なるほど。
書くための知識とプロフィールや肩書きがあれば本になるということですね。

■松尾先生
出版はもちろん肩書きはあった方が良いですが
普通の主婦が3年で1000万円貯めた方法という本があったら欲しくないですか?

その時の肩書きは普通の主婦なので特別な肩書きというわけではありません。

これが税理士の私が3年間で1000万円貯めた方法だったら
税理士だからできたのだろうという話になりますが

専業主婦の私がと言うからこそ価値があり肩書きがなくても本になることはあります。

■質問者
松尾先生の売れている本の中にも
コンサルタントになって稼いだという本がありませんでしたか?

■松尾先生
『コンサルタントになっていきなり650万円を稼ぐ法』ですね。

平成の時代だったら1000万円稼いだ本だったのですが
SNSで情報が拡散されて現実的な話が求められます。

そうなると650万円というとおよそ月50万円くらいです。
月50万円稼いでコンサルタントとして先生と言われたりするのはかっこいいです。

それくらいだったら自分でもできそうだという本がベストセラーにはならなくても
1万部や2万部と出版社の利益ラインを超える本やジャンルになります。

■質問者
確かに投資の本でもコツコツ系の本はかなり売れますね。
投資の本でも時間を味方につけましょうというような王道の本も出ていますね。
出版するために絶対に必要な条件は意外と大それたものでなくて良いということですね?

■松尾先生
大それたものを探すからみんな出版できなくなってしまうのです。
周りのあったら良いなや人の悩みの数だけ人の願望の数だけ出版のネタはあります。

■質問者
ホームランよりもヒットをコツコツという感じですね。
シングルヒットくらいで全然良いのですね。

■松尾先生
人の悩みやあったら良いなは
本人は当たり前にできることなので気がつきません。

例えば僕が出版の教科書を書いています。
出版プロデュースをやっています。

自慢ではありませんが僕は20年本を書いているので僕にとって出版は特別なことではありません。

ですが僕のセミナーやスクールのお客さんで
これを見ている出版していない人にとってはすごいなと思うでしょう。

だから自分が当たり前にできることを
当たり前にできない人やこれから始める人に教えるだけです。

今、出版と言ってもハードルが高いと思ったかもしれませんが
例えば僕も学生の時に自動車教習所に通っていました。

その時は運転免許がないので運転できず教習所の教官を見てすごいなと思っていました。

運転免許を取って普通に運転できるようになり僕の場合は20年30年経ちましたが
今教習所の教官を見ても全然すごいとは思いません。

自分ができない時にはハードルが高いと思ってしまいますが普通にできるようになると何とも思いません。
実は出版も同じなのです。