ちょっとしたコツで
あなたもビジネス書の
著者になれる
誰でもビジネス書の著者になれる「三角形の法則」
「キャリア1年半」なのに出版できた理由
あなたはまだ、「自分は本当に出版できるのだろうか?」「自分は出版に耐えられるコンテンツをもっているのだろうか?」と不安に思っているかもしれません。
結論から言えば、誰でも商業出版は可能です。
その根拠となるのが、「三角形の法則」です。
私の処女作である『誰にでもできる「セミナー講師」になって稼ぐ法』(同文舘出版)も「三角形の法則」で出版にいたった典型例です。
同書は、セミナーを開催・運営するノウハウについて解説したセミナービジネスの入門書ですが、出版した当時、著者である私のセミナー講師歴は、たった1年半に過ぎませんでした。
「1年半しかキャリアがないのに、本を出版できるの?」と思うかもしれませんが、この本の読者対象は、おもにこれからセミナー講師になってビジネスを始めたい人、あるいは講師になったけれどまったく稼げていない人でした。つまり、セミナー講師としてのキャリアが私よりも下の人に向けて書いたのです。
一般的に本を出版する人は、業界の第一人者、重鎮といったイメージだと思います。知名度も実績もずば抜けている、すなわち「S級」の人しか本を書く資格がないと信じ込んでいる人は、いまだに少なくありません。
業界のトップに君臨する「S級」の人物は、三角形にたとえれば、その頂点に位置します。
実績や知名度に応じてランク付けをすれば、「S級」の下に、「A級」「B級」「C級」の専門家が続きますが、1年半のキャリアしかなかった私のような存在は「C級」どころか、「D級」だったかもしれません。
しかし、「D級」のキャリアしかないからといって、出版の資格がないとは言い切れません。
なぜなら、「D級」より下の人には教えられることがいくつもあるからです。私の場合、それが、これからセミナー講師になってビジネスを始めたい人、あるいは講師になったけれどまだ稼げていない人だったのです。
本書を企画するきっかけとなったのは、私のマーケティングセミナーに参加してくれた、ある税理士のひと言でした。
「どうやったら、松尾さんのようにセミナーを開催できるのですか? セミナー開催の講座があれば5万円は払います」
そこで、私は「セミナー講師になる方法」というテーマでセミナー参加者を募集したところ、先の税理士と同じようなニーズをもつ士業の人がたくさん集まりました。このときの体験から、「セミナー講師になりたいというニーズは多くあるのではないか」という仮説が生まれ、処女作の出版につながったのです。
私は「S級」の人物のような豊富な経験や貴重なノウハウは持ち合わせてはいませんでしたが、私よりも経験値が低い人に対しては役に立つ経験や知識、情報はもっていました。だから、商業出版にすることができたのです。
拙著『コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ方法』(集英社)も、三角形の法則から生まれた1冊です。
多額の報酬をもらって外資系コンサルティング会社で働く超一流のコンサルタントにとっては、「年収650万円なんて、桁がひとつ違うのでは? そんな本は読む価値がない」という評価になるかもしれませんが、食べていくのがやっと、あるいはこれからコンサルタントになりたい人にとっては、「650万円」という数字は絶妙の金額だったようです。重版を重ねるスマッシュヒットとなりました。
自分よりも知識やノウハウをもっていない人を対象にすれば、誰でも商業出版が可能になる。これが「三角形の法則」なのです。