ビジネス書を
出版するために
押さえておきたいこと

担当編集者はパートナーであり、エージェント

編集者との関係が悪いと、いい本にならない

出版社を舞台にしたドラマなどを見ていると、「編集者が大作家のわがままに振り回される」というシーンがよく出てきます。そうしたイメージが強いのか、著者のほうが編集者よりも立場が上だと思っている人もいます。
しかし、それはドラマの中のお話にすぎません。たしかに、大御所の小説家になると、作家の意向が優先されますが、ビジネス書の世界にかぎっていえば、著者と担当編集者は「パートナー」の関係です。
小説と違ってビジネス書は、企画の段階から知恵を出し合い、一緒につくりあげていく局面が多々あります。
編集者が著者の秘めている魅力的なコンテンツを引き出したり、読者のニーズに合ったテーマを設定してくれたりします。著者と読者を結びつけてくれる大切な同志なのです。
ビジネス書の場合、編集者とのチームワークが本のクオリティーや売れ行きを大きく左右します。両親の仲が悪いと、子供の成長過程で悪影響が出るように、編集者と著者の関係がうまくいっていないと、いい本になりません。
 
一方、コミュニケーションを密にし、お互いの知恵や意見を出し切り、一緒につくりあげていく姿勢を維持できれば、満足度の高い本、売れる本になります。多くの読者を獲得することにつながります。
「著者との関係がうまくいかなかった本は、不思議と売れ行きも悪いんです」と複数の編集者から聞いたことがあります。「編集者は著者のパートナーで大切な存在」と意識しながら接することが、いい本をつくるためには大切です。