商業出版への近道、回り道

編集者はどうやって著者を見つけているのか

著者デビューの近道は「紹介」

「持ち込み」「紹介」「インターネット」――出版デビューを果たすルートとして、この3つを紹介しましたが、最も成功の確率が高いのはやはり「紹介」です。
なぜなら、「紹介」があれば、ほぼ確実に編集者に出版企画書を見てもらえるからです。場合によっては、編集者と直接面会してアピールすることもできます。出版企画書を見てもらえるかどうかも怪しい「持ち込み」と比べれば、その時点でかなり有利といえます。
たとえば、「アイドルになりたい」という女の子は世の中にたくさんいます。その中でひたすらオーディションに応募しても、書類選考で落とされてしまう可能性は高い。しかし、仮にAKB 48 をプロデュースしている秋元康さんの紹介が得られたら、どうでしょうか。「秋元さんの紹介なら……」とほとんどの場合は、書類選考を楽らくパスするに違いありません。紹介がある時点で、「予選」は突破できるのです。
出版の世界も同じ。紹介の場合は、紹介者を介しているぶん、編集者も無下に断ることはしません。
見ず知らずの人から「出版企画書を見てください」といきなり言われたら、編集者は身構えてしまいますが、前から付き合いのある人から「知り合いに面白い人がいるので、出版企画書を見てください」と言われれば、編集者はほぼ確実に目を通してくれます。編集者と紹介者の付き合いが深いほど「○○さんの紹介する人なら、いいコンテンツをもっているに違いない」と期待をもって(前向きに)企画書を見てくれるでしょう。そこで、出版企画書のテーマや著者プロフィールが一定の基準に達していれば、「ぜひ検討してみたい」という流れになるのが自然です。
まったく同じ内容の企画書であれば、見ず知らずの著者候補より、知人から紹介された著者候補のほうが有利なのは間違いありません。
そう考えると、「紹介」は、千三つの確率といわれる「持ち込み」よりも、編集者とコンタクトできる確率ははるかに高いですし、出版に至る可能性は一気に上がります。
また、「紹介」は、「インターネット」を通じてデビューするよりも、時間や労力は少なくて済みます。インターネット上でファンを集めるほどの人気コンテンツは一朝一夕ではつくれませんし、毎日のようにコンテンツを発信する労力も必要になります。
 
インターネット上でPVを獲得するには、不特定多数の人が楽しめる大衆性も必要です。専門的なビジネス分野での出版を目指す場合、そもそも集められる読者やファンの数は限られます。
しかも、この方法で成功するには、情報発信者のキャラクターやマーケティングセンスも求められるため、誰もがうまくいくとは限りません。