「出版企画書」
編集者はここを見ている

タイトルはこう書く

タイトルは、ひと目で何の本かわかるように

出版が決まった本のタイトルは、原則として出版社に決定権があります。したがって、多くの場合、編集者から「こういうタイトルにしようと思います」という提案があります。
しかし、出版企画書のタイトル案は、あなたが考えなければなりません。そのタイトルが魅力的であればあるほど、編集者の目に留まりやすくなります。
たくさんの出版企画書が持ち込まれる編集者の中には「出版企画書は、タイトルがすべて。タイトルでピンと来なければ、そのほかは読まない」という人もめずらしくありません。
だからこそ、出版企画書の「(1)タイトル」にはこだわらなければなりません。タイトルひとつで出版の可否が決まってしまうからです。
 
タイトルを考えるうえで最も大事なポイントは、ひと目で何の本かわかるタイトルにすること。ここで「どんな本かわからない?」と編集者に思われてしまったら、企画書を読んでもらえる可能性は低くなってしまいます。
タイトルをわかりやすくするには、具体的にすることが肝心です。
 
たとえば、拙著の『コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ法』(集英社)は、企画書の段階でこのままのタイトルでした。集英社の担当編集長には、ひと目で本書のコンセプトを理解いただけたようで、すぐに出版が決まりました。
このタイトルは、コンサルタントになって年収650万円を稼ぎたい人に向けた本だという内容が瞬間的にわかります。仮に「成功するコンサルタントになる方法」だったら、漠然としていて、読者ターゲットも絞れなかったでしょう。タイトルは、困っている人が自分のために書かれた本だとピンとくるように、「誰が読む本であるか」を明確にしてつけることが大切です。
 
また、「650万円」というように具体的な数字を出すのも、わかりやすいタイトルをつけるポイントです。
逆に、やってはいけないのは、抽象的なタイトルをつけること。前述したとおり、読者を広げようと抽象的なタイトルをつけると、どんな中身の本なのか編集者に伝わりません。
「幸せになる法則」「お金持ちになれる本」「人間関係がよくなる方法」といった抽象的なタイトルではなく、できるかぎり具体化するようにすることが大切です。
 
具体的なタイトルにすると、総じて一文が長くなります。『コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ法』というタイトルは長くて、野暮ったいという印象をもつ人もいるかもしれませんが、短くてかっこよさ優先のタイトルをつけて、どんな内容の本かわからなくなるより何倍もマシです。
とくに出版企画書のタイトルは、編集者に興味をもってもらうためのものですから、かっこよさよりも、わかりやすさを優先すべきです。