商業出版への近道、回り道
「進学校の理論」で誰でも出版できる
著者スクールも選択肢のひとつ
では、具体的には商業出版を目指している人が集まるコミュニティーは、どこにあるのでしょうか。
選択肢のひとつは、「著者スクール」です。出版コンサルタントや出版プロデューサーなどの肩書をもつ人物が運営するコミュニティーで、企画書作成のサポートや編集者との橋渡しなどのサービスを提供するのが一般的です。私が主宰している「ビジネス著者養成スクール」も、そのひとつです。
そのほかに、出版社が運営する出版スクールもあります。ダイヤモンド社、サンマーク出版などの出版社が過去に開催歴があり、現役編集者が講師を務め、ともに出版を目指すというものです。編集者と直接コンタクトでき、しかも優秀な企画は出版に直結するので、ビジネス書の出版社のホームページなどをチェックしてみるといいでしょう。
このような著者スクールのおもな利点は、次の3つです。
(1)第三者の視点から企画書を磨き上げることができる
(2)出版社や編集者への橋渡しをしてくれる
(3)同じ志をもつ人と切磋琢磨する環境を得られる
もちろん、サービス内容や料金体系はそれぞれ異なるため吟味する必要はありますが、商業出版を実現するための近道になることは間違いありません。1人きりで、やみくもに「持ち込み」を繰り返すよりもはるかに効率的です。
先の(1)と(2)も大切ですが、(3)「同じ志をもつ人と切磋琢磨する環境を得られる」のも見逃せない出版スクールのメリットです。
全国でも有数の進学校である有名高校の先生は、生徒にこんな話をすると聞いたことがあります。
「ライバルは、隣にいるクラスメイトではない。クラスのほとんどが東大を目指しているのだから、みんなで合格をつかみとろう。ライバルは他の進学校の生徒だ」
みんなが一緒に東大合格をめざす同志であれば、足を引っ張りあうことなく、お互いに切磋琢磨して学力を高め合うことができます。だから、その進学校からは、数多くの東大合格者が輩出されるのでしょう。
著者スクールでも、商業出版という同じ志をもっている人が集まっているので、お互いに刺激を受けながら、出版を目指すことができます。仲間がいれば、自分の能力や企画書を客観視することができますし、途中であきらめる気持ちを抑えることもできます。
手前みそで恐縮ですが、私が運営するビジネス著者養成スクールでは、まさに参加者が同志として、協力しながら出版を目指していきます。
スクール生同士がディスカッションして互いの強みを発見したり、プレゼン資料を作成するにあたりパワーポイントが得意な人が苦手な人に教えてあげるといった光景が見られます。
全員がオーディションで編集者から札を挙げてもらえるように協力し、切磋琢磨し合うので、スクールの最終日には参加者同士の絆ができあがっています。スクール終了後も、同期会を開催するなど交流を深めている人たちもいます。
これは、あくまでも私の著者スクールの例ですが、参加者同士の結びつきが強いスクールほど、出版企画書のレベルも上がり、結果、出版を実現する人も増えるのだと思います。