商業出版への近道、回り道
編集者はどうやって著者を見つけているのか
持ち込み企画が採用される可能性は低い
商業出版することを決意し、出版企画書も作成した――。あとは、出版企画書を編集者に見てもらうだけです。
では、どうすれば編集者に企画書を見てもらえるのでしょうか。
小説のジャンルであれば、新人文学賞などいくつかの公募に応募するという手がありますが、ビジネス書においては、そのような賞はほぼ存在しません。
誤解を恐れずにいえば、出版業界、とりわけビジネス書のジャンルは閉鎖的なムラ社会です。出版社や編集者との接点をもつ人だけが、商業出版を果たせると言っても過言ではありません。
では、どうすれば出版への道は開けるのでしょうか。
ビジネス書の商業出版を果たすには、大きく分けて3つのルートがあります。
①持ち込み
②紹介
③インターネット
持ち込みは、出版企画書あるいは原稿を直接、出版社に売り込む方法です。
通常は、編集部宛てに郵送で送ったり、電話をかけて直接売り込んだりします。なかにはホームページで原稿を募集している出版社もあるので、ネット経由で持ち込む方法もあります。
しかし、私の知る限り、持ち込みによって出版まで漕ぎつけられる可能性は、きわめて低いというのが現実です。知り合いの編集者に聞いた話では、「確率的には千三つ(1000のうち3つくらい)の採用率」とのこと。誰にでも門戸が開かれている分、編集者のお眼鏡にかなう可能性は低いといわざるを得ません。
もちろん、企画のクオリティーによっては、出版が実現するケースもあります。ある編集者いわく、「一つひとつの企画書をじっくり読み込む時間はありませんが、タイトルや著者プロフィールに興味を引かれるものであれば、コンタクトをとる可能性はある」とのこと。そういう意味でも、出版企画書の質を磨いておくことには意味があります。