「出版企画書」
編集者はここを見ている
タイトルはこう書く
「誰が何を教えるか」をタイトルにする
タイトルをひと目でわかるようにするには、「誰が何を教えるか」をタイトルで示すという方法もあります。
著者スクール生、長岐隆弘さんの『銀行員だけが知っているお金を増やすしくみ』(集英社)という本のタイトルは、「銀行員」がキーワードとなっています。銀行員の一般的なイメージは「1円の誤差にも妥協しない」「お金を着実に貯めている」というものです。だから、「銀行員だけが知っている」と謳うだけで、「地に足をつけたお金の貯め方がわかる」という印象をもってもらえます。
現役官僚だった久保田崇さんが出版した『官僚に学ぶ仕事術』(毎日コミュニケーションズ)も、「官僚」がキーワードのわかりやすいタイトルです。なぜなら、官僚には「とてつもない量の仕事をこなす頭のいいエリート」というイメージが定着しているからです。このタイトルを見た人は、「日本最高峰の頭脳集団が実践する仕事術を教えてもらえる」と期待します。
そのほかにも、CA(キャビンアテンダント)やホテルマンであれば、「おもてなしやサービスのプロ」というイメージ、弁護士であれば「交渉のプロ」というイメージなので、職種をタイトルに入れることで、それだけで本の内容の一部を伝えることができます。
さらに、「現役東大生が書いた○○の本」というタイトルの本が数多く出ているように、「東大」も出版の世界では大きなブランドになります。
自分が勤めていた(あるいは務めている)企業の名前がプラスのイメージにつながるなら、タイトルの中に入れることを検討してみてください。たとえば、過去にディズニーリゾートで働いていた従業員が書いた本はいくつもベストセラーになっています。大重寛さんが出版した『ブラック社員がこんなに!動く佐川急便の「マネジメント」』(東邦出版)も、「佐川急便のセールスドライバーをマネジメントするのは大変そうだ」というイメージを逆手にとった好タイトルの例です。
もし、あなたが経験してきた職業や務めている会社が、客観的に見てプラスのイメージやインパクトにつながるようなら、職業や会社名をタイトルに盛り込むのも一案です。