商業出版への近道、回り道

編集者はどうやって著者を見つけているのか

ネット上の人気コンテンツは書籍化されやすい

3つめは、インターネットです。
今はブログやツイッターなどSNSで誰もが情報発信できる時代です。本の著者ではなくても面白いコンテンツを発信している人は、多く存在します。
編集者の中には、インターネット上で魅力的な情報を発信している著者候補をたえず探している人がいます。ブログやメルマガを読んだ編集者から声がかかって、出版デビューを果たしたという著者は数多くいます。
 
近年の例で言えば、『自分のアタマで考えよう』(ダイヤモンド社)の著者であるちきりんさんは、200万PV(ページビュー)を誇る社会派ブログが注目されてデビューしましたし、『半径5メートルの野望』(講談社)などの著者として知られる伊藤春香(はあちゅう)さんも大学在学中に立ち上げたブログがきっかけで出版デビューし、さまざまなメディアで活躍しています。
インターネットから書籍デビューするうえで重要なのは、すでに読者やファンがついていること。
PVや読者数が多く、影響力が大きい個人メディアは、書籍を出版すれば一定数の売上が見込めるので、企画も通過しやすくなります。実際、出版を実現できる大きな条件のひとつが、「どれだけ買い支えしてくれるファンがいるか」だという編集者も多く存在します。
 
ただし、インターネット上で人気コンテンツになるのは、ごく一握り。しかも、基本的には、編集者に自分の存在を見つけ出してもらうしかありません。そういう意味では、「持ち込み」と同じく千三つの世界です。