「出版企画書」
編集者はここを見ている

目次は50%50%の法則で

難解な内容は後半に

いくらコアコンテンツになるような内容であっても、それがあまりに専門的で難解なものだと、読者が離脱してしまいます。
 
たとえば、初心者向けの財務諸表(決算書)の読み方が企画テーマの場合、いきなり難しい計算式などが登場したら、「うわぁ! むずかしそうだ。読み切れないかもしれない
……」と読者に思われ、購入してもらえないでしょう。この場合は、財務諸表を身近な家計簿に置き換えて説明したり、著者自身が体験したエピソードから入るなど、ハードルを下げる工夫が必要です。
専門的な内容は後半にまわし、読者が階段を一段ずつ上がるように順を追って理解してもらわなければなりません。
 
また、目次をつくるときは、専門用語をかみ砕くことも大切です。あなたが当たり前のように使っている言葉であっても、その業界以外の人には伝わらない、ということはよくあります。ビジネス書を読むのは専門家だけではありません。
会計の初心者に対しては、「フリーキャッシュフローが重要」と言うよりも、「フリーキャッシュフローは経営状態を知るリトマス試験紙」などと表現したほうが、親しみやすく感じます。
 
出版企画書でも専門用語はわかりやすく言い換えることが必要です。難しいことをわかりやすく伝えるのがビジネス書の役割のひとつですから、編集者は目次を見て、「この著者は専門用語をわかりやすく言い換えられる力量があるか」を見ているのです。