ビジネス書を
出版するために
押さえておきたいこと

「そんなの無理!」と言われてもあきらめない

出版社と編集者との「相性」も重要

編集者から出版を断られる理由は、おもに2つあります。
ひとつは、企画書のクオリティーが低いケース。企画の差別化が図れていなかったり、著者のプロフィールが弱かったりすれば、その時点で「本にならない」と判断されてしまいます。これについては、本書を参考に、出版企画書の質を磨いていけば、クリアできる可能性が高くなります。
 
もうひとつは、出版社や編集者と相性が合わなかったケース。結婚と同じで出版にも相性があります。
 
たとえば、「資格勉強法」のテーマで出版したい人が、資格関連の書籍を出版した実績のない出版社に企画を持ち込んでも、その出版社の編集者はテーマを見た途端に二の足を踏む可能性があります。自社での出版実績がないと、どれだけ売れるか未知数ですから、「あえてチャレンジしなくてもいい」という判断になりがちです。出版社にも得意ジャンルと不得意ジャンルがあるのです。
また、社内で同じような企画がすでに進行していれば、「2冊も同じ本を出す必要はない」という判断になります。
 
編集者との相性も重要です。
 
「株式投資」のテーマで出版をしたくても、編集者が株式投資にまったく興味がなかったり、投資そのものに嫌悪感をもっていたりすれば、断られる可能性が高くなるのは当然です。逆に、どんなにニッチな企画でも、編集者がちょうど興味をもっているジャンルだったら、一気に出版の可能性は高まります。
 
出版業界には、最初に持ち込んだ出版社で断られたけれど、別の出版社で刊行したところベストセラーになって爆発的に売れたという話は山ほどあります。
 
ジャンルは違いますが、あの大ヒット漫画『進撃の巨人』(講談社)も、講談社の『別冊少年マガジン』に掲載される前は、別の出版社から掲載を断られたという経緯があります。将来の大ヒットコンテンツを蹴ってしまった編集者は、さぞかしくやしい思いをしたでしょうが、これも相性や巡り合わせと言うほかありません。
 
大切なのは、1度や2度、断られたからといって落ち込まないこと。きっとあなたのコンテンツやノウハウを必要としている編集者がどこかにいるはずです。