ビジネス書を
出版するために
押さえておきたいこと

出版社はビジネス書の著者に何を求めているか?

「いい本」ではなく「売れる本」

先ほど述べたように、商業出版は、出版社にとって投資ビジネスです。だから、損はしたくない。売れる本を出したいというのが本音です。
 
出版業界の市場規模は、1兆4000億円ほど。もともと大きな市場ではありませんし、年々縮小しています。その中で大企業といわれる出版社は5社ほどで、ほとんどの出版社が中小・零細企業。ビジネス書のジャンルでベストセラーを連発しているダイヤモンド社でさえ従業員数は200名程度の中小企業です。
 
ほとんどの出版社が小さな会社であるうえに、経営環境は年々きびしくなっているので、本が売れなければ死活問題。出版社の経営者の立場になれば、「売れそうな本でなければ出せない」というのが本音です。
いくら社会的意義がある内容だからといっても、出版社は売上が見込めなければ、首を縦に振ることはありません。出版社が求めているのは、「いい本」ではなく、あくまでも「売れる本」です。したがって、自慢話を書き連ねた本や読者不在の独りよがりの内容の本が歓迎されないのは当たり前。それこそ「自費出版で書いてください」と言われるのがオチです。