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出版するためのプロフィール作成【ミニ講座】
魅力的なプロフィールをつくる
ここからは、私の著者プロフィールを例に、その作成方法について具体的に説明していきましょう。ここで作成する著者プロフィールは、出版企画書の著者プロフィールのベースとなるものなので、しっかりと練ってください。
以下は、私が実際に使っている著者プロフィールです。
出版プロデューサー 起業コンサルタント
ネクストサービス株式会社代表取締役
その他大勢から抜け出したい、士業・各種コンサルタント・起業家をトータルで支援する戦略プロデューサー兼コンサルタント。
祖父は戦前、満州にて百貨店、自動車販売会社を経営。父は地元埼玉県にて40年続く建設清掃会社の創業社長という、起業家の家系に育つ。大学卒業後、業界大手の総合人材サービス企業を経てコンサルタントとして独立。
現在、自身が企画し講師を務めるビジネスセミナーの参加者は延べ1万名を超え、その中から500名以上の各種講師や、200名を超えるビジネス著者を世に送り出す。
著作は22冊。執筆した本は中国、韓国、台湾、タイ王国でも翻訳出版されている。
2006年7月に発表した処女作『誰にでもできる「セミナー講師」になって稼ぐ法』(同文館出版)はインターネット書店 Amazon 和書総合ランキング1位を獲得し、自
主開催セミナー初心者のバイブルといわれている。2011年6月に集英社から出版した『コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ法』及び、2012年5月に角川フォレスタから発行した『土日社長になっていきなり年収+ 96万円稼ぐ法』は、士業や各種コンサルタントのみならず、起業予備軍にも多大な影響を与え続けている。
京都女子大学などの高等教育機関、東京商工会議所を初めとする各種団体、リクルート社・明治安田生命・SMBC コンサルティングなどの民間企業より、講演・セミナー・研修依頼を受ける講師であり、日本経済新聞・日経BP・東洋経済オンライン・週刊SPA!・ FM NACK5 などメディアからの取材も多い起業家。
それぞれのポイントを見ていきましょう。
出版プロデューサー 起業コンサルタント
ネクストサービス株式会社代表取締役
まずは、名前と肩書です。
肩書が複数ある場合は、並立表記します。自分が何の専門家なのか、素人でもわかるように書くのがポイント。会社名を先に書く人が多いのですが、「ネクストサービス株式会社」
といっても、ほとんどの人は初めて聞く社名ですし、何の仕事をしているかわかりません。
何をしているのか、はっきりとわかるように表記すべきです。
また、インパクトのある肩書をもっている人はそれを使わない手はありません。
たとえば、著者スクールの卒業生に当時「史上最年少で司法試験に合格」という肩書をもつ弁護士がいますが、「史上最年少」とついていると、いかにも優秀なイメージになります。ただ、裏話を明かせば、当時3年生で合格する人は、毎年何人かいたそうです。しかし、多くの人はそういう事実を知らないので、インパクトは絶大です。
ここでは、「誰の役に立つ人物なのか」をあきらかにしています。先の肩書から、さらに対象者を絞るイメージです。50文字程度の短い文章でまとめると、すっと頭に入ってきます。
この部分が、出版企画書における読者ターゲットになる可能性があります。
前項で述べた通り、自分や家族のルーツを記述することで、プロフィールに味が出ます。
たとえば、「和菓子店の経営者」ではなく、「100年続く老舗和菓子店の三代目」とすることで、「伝統がある」「技術がすごそう」「ブランド力がある」など、プロフィールを見た人が勝手に想像をめぐらせてくれます。
もちろん、ウソをついたらいけませんが、過去の要素を現在の仕事につながるように切り貼りすることで、魅力的なプロフィールになります。
自分(または会社、プロジェクトで関わった仕事)の実績、顧客数、売上など具体的な数字を出すことで、自分のノウハウが効果的であることを客観的に示すことができます。
また、顧客の実績を数字で示すことにより、再現性があることを証明できます。出版企画において再現性は重要です。ビジネス書は、読者の実利になる必要がありますから、あなた個人だけが実践できるノウハウでは意味がないのです。「著者の能力、キャラクターだから実践できる」というものでは、読者の役に立ちません。しかし、著者の顧客が実績を出しているなら、それは再現性があるということになります。
2006年7月に発表した処女作『誰にでもできる「セミナー講師」になって稼ぐ法』(同文館出版)はインターネット書店 Amazon 和書総合ランキング1位を獲得し、自主開催セミナー初心者のバイブルといわれている。2011年6月に集英社から出版した『コンサルタントになっていきなり年収650万円を稼ぐ法』及び、2012年5月に角川フォレスタから発行した『土日社長になっていきなり年収+ 96万円稼ぐ法』は、士業や各種コンサルタントのみならず、起業予備軍にも多大な影響を与え続けている。
ここでは、読者ターゲットが認める実績を出しています。「海外で翻訳された」「インターネット書店 Amazon 和書総合ランキング1位を獲得し、自主開催セミナー初心者のバイブルといわれている」と書かれていれば、一般の人は一目置いてくれるでしょう。
自分には誇れるような実績がないという人は、戦略的に表現を工夫することが大切です。
たとえば、大企業で50億円規模のプロジェクトメンバーとして働いたことがあるなら、それが10人いるメンバーのひとりであっても、「50億円規模のプロジェクトメンバーに抜擢され、○○を任される」と表現することで、すごい人と思ってもらえます。
あまりに話を盛りすぎるのは心苦しいという人は、実際にこの経歴について尋ねられたときに、「10人いるメンバーのうちの1人でした」と正直に告白すればいいのです。正直に打ち明ければ、「真面目な人だな」という印象になるものです。著者プロフィールは編集者に興味をもってもらうのが第一。インパクトのない経歴を書いても、編集者の目には留りません。
講演や研修実績、マスコミの掲載実績などを紹介することで、自分がいかにメディア、または業界から注目されているかを示します。
ウソをついてはいけませんが、たった数行の記事など小さな扱いでも遠慮せずに書くことが大切です。
東京商工会議所、リクルート社、明治安田生命、SMBC コンサルティング、日本経済新聞社など固有名詞を出しているのにも意味があります。
人から信用されるためには、ビッグネームにぶらさがることが効果的だからです。
あまり実績がない人は、権威やブランドにひもづくことで、魅力的なプロフィールにすることができます。
たとえば、『税理士だけが知っているお金を残すしくみ』(集英社)を出版した平澤元章さんは、実は著者スクールにやってきた当初、「転職が多いこと」を負い目に感じていました。
税理士事務所を開業するまでに外資系の会計事務所や金融機関など7つの会社を渡り歩いてきていました。
一般的に日本の社会では転職が多い人は、「忍耐力がない」「飽きっぽい」「協調性がない」というイメージをもたれがち。彼は正当な理由で転職を繰り返してきたとはいえ、他人よりも多い転職歴がネックになるのではないかと不安に感じていたのです。
しかし、見方を変えれば、転職の回数が多いということは、「いろいろな会社を見て、さまざまな経験を積んできた」とも言えます。実際、彼が就職した会社は一般にもよく知られた大手企業ばかり。
そこで彼は次のようなプロフィールをつくりあげました。
どうでしょうか。このように「アーサー・アンダーセン」などを文字にすると、一流企業で実績を積んできた優秀なビジネスパーソンという印象を与えるのではないでしょうか。
もちろん、ウソを並べ立てたわけではなく、彼がやってきた事実を文字にしただけですし、実際、彼は優秀なビジネスマンです。
このように本人がマイナスと思っている経歴も、権威やブランドとなる固有名詞を出すなど、表現のしかたによってはプラスの要素となり、編集者の目に留まりやすくなるのです。