ちょっとしたコツで
あなたもビジネス書の
著者になれる

ニーズの数だけ出版のチャンスがある

ニーズがあっても本のテーマに合うとはかぎらない

ただし、ニーズがあるからといって、必ずしも本の企画として成立するとはかぎりません。
たとえば、「路上生活から抜け出す方法」というテーマで出版しても、日々の生活で精一杯の路上生活者が、書店でその本を見つけて買ってくれる可能性はほとんどありません。もし企画を成立させたいなら、「路上生活者を救う方法」「路上生活者に学ぶサバイバルの知恵」など読者対象を変える必要があります。
 
また、土木・建築現場の肉体労働者を読者ターゲットした本もビジネス書としては出版企画としては成立しにくいでしょう。もちろん、現場で問題や悩んでいることはあるでしょうが、本を読んで解決しよう考える人は少数派だからです。
 
私は昔、父親が経営する建設・清掃会社で働いていたことがあるのでよくわかりますが、いわゆるガテン系の人の中で、ビジネス書を読む習慣のある人はごくわずか。いくらニーズはあっても、本という媒体では、彼らの手元には届きにくいのです。
 
さらに、インターネットで簡単に検索できるようなテーマも、ニーズはあっても本の企画にはなじまなくなっています。
 
たとえば、通夜に参列することになった人が、香典の金額はいくらがふさわしいのかを調べたいとき、多くの人はインターネットのサイトで検索するのではないでしょうか。わざわざそれを調べるために書店に行って本を買う人は今ほとんどいません。冠婚葬祭のマナーなどインターネット上に情報があふれている基本的な情報を、真正面から出版企画にまとめても編集者は首を縦に振ることはないでしょう。
 
企画のテーマを考えるときは、「悩みを抱えている人が、それを解消するために書店で本を買ってくれるか」をイメージすることが大切なのです。