誰にでもビジネス書の
著者になれるチャンスはある

「著者=すごい人」は思い込み

ビジネス書は「有名人だから」といって売れるわけではない

こで質問です。
数年前に発売されてミリオンセラーになり、当時AKB48のセンターだった前田敦子さん主演で映画化もされた『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)、同書の著者は誰でしょうか?
 
大ベストセラーなので、ご存じの方も多いと思います。
答えは、岩崎夏海さんです。
しかし、岩崎さんの名前をご存じだった方でも、9割9分は本がベストセラーになってから、名前を知ったのではないでしょうか。
ヒットを連発してきた神田昌典さん、本田健さん、勝間和代さんなども、今ではビジネス書を読む人なら誰もが知る有名人ですが、本がベストセラーになる前は、世間的にはほとんど無名でした。ビジネス書の著者のほとんどは、本が世に出てから世間に名を知られるようになったのです。
 
ビジネス書は、小説などと違って、著者や出版社の名前で売れるわけではありません。
私自身、こんな経験をしたことがあります。
弊社のセミナーに初めて出席した参加者の一人が、私にこんな告白をしてくれました。
「今回のセミナーのテーマに興味があって参加したのですが、申し込んだ後に、松尾さんの著書が家の本棚に3冊も並んでいたことに気づきました。お恥ずかし話ですが、本は楽しく読んでいたのに、松尾さんの名前は憶えていませんでした……」
 

 
このようにビジネス書の読者は、著者名で本を買っているわけではありません。書店のベストセラーコーナーをのぞいても、初めて出版した無名の著者の本がいくつも並んでいます。
そう考えると、あなたに今、著書がなくても、「出版できない」理由にはなりません。処女作がベストセラーになる可能性だってあるのです。反対に、一冊目の本が売れたからといって、次回作も売れるとはかぎらない。それがビジネス書の世界なのです。