書いた本を売るために
大切なこと

書店に自分の本を長く置いてもらう

書店へのいきなりの訪問は控える

本の販売促進に積極的な著者には、「自ら書店をまわって営業してきます!」と言う人もいます。その意気込みはすばらしいですが、ちょっと待ってください。
書店を訪問したい場合は、事前に担当編集者に相談する必要があります。
なぜなら、直接、著者が訪問することを歓迎しない書店員が多くいるからです。書店には、毎日のように大量の新刊本が届き、それをダンボールから出して書棚に並べなければなりません。本は重いので、想像以上の重労働です。もちろん、同時にレジや接客の仕事もあります。どこの書店もギリギリの人員で対応しています。
そんなところに、アポイントもなく著者が訪問したらどうでしょうか。誰もが知る大作家がやってくれば喜ぶかもしれませんが、名前も知らない新人著者がいきなりやってきても困るでしょう。もちろん、著者をぞんざいに扱うわけにもいかないでしょうから、書店員もそれなりに対応してくれると思います。しかし、心の中では「忙しいときに、まいったなあ」というのが本音かもしれません。
 
実際、著者がアポイントなしで突然やってきたり、自分の本が目立つように勝手に棚の本を動かしたりして、出版社にクレームが入ることもあるようです。
したがって、書店を訪問してあいさつしたり、POPを渡したりしたいのであれば、事前に担当編集者に相談すること。出版社の営業部にも協力してもらって指定された書店をまわれば、トラブルなく、本の販促活動ができます
 
ただ、誤解してほしくないのは、すべての書店が著者の訪問を迷惑に思っているわけではない、ということです。都会の大型書店はお客も多いので、いきなりの訪問は歓迎されない傾向にありますが、地方の書店などは、著者が訪ねてくることはめずらしいので喜ばれることがあります。
私も埼玉の地元の書店で「実は、この本の著者なんです」とあいさつしたところ、すぐに目立つところに平積みしてくれたことがありました。とくに地元にゆかりのある著者の本は積極的に売ってくれる傾向があります。
ただ、地元の書店を訪問するときも、編集者に断ってからのほうが無難でしょう。「招かれざる客」になってはいけません。