「出版企画書」
編集者はここを見ている

サブタイトルとキャッチコピーはこう書く

大切なのはインパクトと明確さ

出版企画書には、メインとなるタイトルのほかに、「(2)サブタイトル」と「(3)キャッチコピー」も記載します。タイトルだけでは伝わらないこともあるからです。
サブタイトルは、タイトルを補うものという位置づけです。たとえば、拙著の『その他大勢から一瞬で抜け出す技術』(日本実業出版社)には、「過小評価されているあなたを救うスピード・ブランディング」というサブタイトルがついています。メインタイトルでは、「どうやってその他大勢から抜け出すか」は読み取れませんが、サブタイトルから、「ブランディング」について書かれた本だとわかります。
とくに言葉のインパクトを狙った本は、サブタイトルでどんな内容であるかを補足する必要があります。
 
ただし、出版企画書の段階では、タイトルだけでどんな内容の本か伝えることが原則です。サブタイトルでは、タイトルに盛り切れなかった文言を付け加えるようにするといいでしょう。
 
キャッチコピーは、インパクト重視です。アッと言わせるようなキャッチコピーが入っていると、読者は興味をそそられ、思わず手に取ります。
また、時代性をあらわしたものもキャッチコピーになります。たとえば、お金をテーマにした企画なら、「下流老人にならない投資法!」「年収300万円時代だから読んでおきたい!」などが当てはまります。
出版企画書に記載するキャッチコピーは、編集者に向けたものです。編集者をアッと言わせるようなコピーであれば、企画書に興味をもってもらえる可能性が高くなります。また、キャッチコピーにかぎらず、編集者は出版企画書のタイトルまわりの文言から著者のセンスを見ています。自分のコンテンツの見せ方が上手な人は、伝える能力が高いという評価につながります。
 
なお、サブタイトルとキャッチコピーは、メインのタイトルと文言が重ならないようにするのが原則です。
たとえば、『その他大勢から一瞬で抜け出す技術』のサブタイトルが、「その他大勢から抜け出したいあなたを救うスピード・ブランディング」だったら、「その他大勢から抜け出す」が2度繰り返されることになります。
タイトルまわりの文言はスペースもかぎられているので、コンテンツの魅力がより伝わりやすいように、別の言葉を使うべきです。「言葉の重複はもったない」と心得ておきましょう。