安部由美子さま(第33期)
出版の動機
私のキャリアは葬婦のアシスタントから始まりました。
当時は離婚直後で、三人の子供たちを育てながら新たな道を探していました。葬儀業界へ飛び込むことは大きな挑戦で、初めの半年間はいつも辞めたいと思う気持ちと戦っていました。それでも、子供たちを支えるため、最初の二ヶ月間は無償で働き、三ヶ月目からは一回4000円をいただくようになりました。その僅かな報酬が、自分の努力が認められた証だと感じ、喜びを覚えました。
葬儀業界への参入直後から、「いつか独立して講師になる」、「出版して多くの人の役に立つ」という二つの目標を掲げ、学んできました。そして半年後、司会業務と講師業務の依頼が舞い込むようになりました。全ては口コミで、自ら営業をする時間すらないほど忙しくなっていました。
スクール受講前の悩み
最初の問題は、資金でした。内容とお金が見合っているのか、本当に私が本を出せるのか、といった悩みもありました。
しかし、知人からの紹介でスクールと繋がり、それは自分の夢を実現するための神の恵みだと感じました。「今しかない」と思い、思い切って申し込みました。
良かったこと、苦しかったこと
松尾先生の丁寧な指導には、感謝の念でいっぱいです。その細部までのケアはプロでなければ出来ないことです。
また、同期生や先輩たちからの支援にも助けられました。将来著者のライバルになるかもしれない私たちに、皆さん全身全霊で支えてくださり、感謝の言葉しか見つかりません。初歩的な部分でつまずいた時でも、優しく、時にはユーモラスに手を差し伸べてくれました。それがあったからこそ、安心して学ぶことができました。
それでも、卒業までの道のりは困難でした。
自分の文章力の未熟さに気づかされ、日本語の文法すらままならないことに恥ずかしさを感じました。
そして、卒業後には新たな試練が待ち構えていました。出版社からのオファーを受け、執筆を始めると、厳しいフィードバックに直面しました。それは松尾先生が「出版社が決まりホッとできるのは、今のこの時だけ。これからですよ!」といった予告通りでした。
出版まで、出来上がった本の感想
出版社の担当者とのコミュニケーションは必要でしたが、彼らには他の作家たちもいて、私だけに専念するわけにはいきません。そのため、自分の原稿が放置されることもありました。しかし、それを理由にサボることなく、仕事を続けることが重要だと心得ていました。
完成した本を初めて手にしたとき、それは私だけのものではなく、編集者やライターの手を借り、さらに読者によってより価値あるものになったと感じました。
そして、これを読む人々に対する責任感が強くなりました。「本に責任を持つ」、そう強く感じたものです。
メッセージ
私たちはなぜ葬儀を行うのでしょうか。その答えが、この本には愛の物語として描かれています。この本を読んでいただければ、私のメッセージが直接心に届くことでしょう。
出版後の変化
プロフィール
鹿児島県出身。一般社団法人日本葬祭コーディネーター協会代表理事、葬祭コーディネーター、葬祭コンサルタント。
2014年に一般社団法人日本総裁コーディネーター協会を設立。
看護師としての経験を活かし、葬祭業界に転身。葬儀社と遺族の想いをつなぐ役割を22年間にわたって果たし、関わった葬儀件数は2万件を超えます。葬儀の司会を務めながら、全国葬祭事業や全国の葬儀社で、セレモニーアシスタントのスキル向上や接遇研修、サービスの質向上を目指したコンサルティングや個人向けの終活セミナーの講師も務める。