渡邉克晃さま(第28期)

渡邉克晃さま(第28期)
《 著書 》『美しすぎる地学事典』
(秀和システム)
『もしも、地球からアレがなくなったら?』
(文友舎)

出版の動機

個人で事業をする上で、商業出版が持つ広告効果の大きさに強い期待感があったからです。スクール受講前のセミナーを通じて、「自分の本が全国の書店に並ぶということは、言わば出版社、取次、書店が、自分に代わって年中無休で広告してくれることに等しい」ということを知りました。しかも広告費を払うことなく、むしろ印税をもらいながら広告してもらえるということに、とても衝撃を受けたのを覚えています。普通は高額な広告費が必要になるところですので、これほど事業に有益なことはないと思いました。もちろん出版に伴う知名度や信頼性の向上も、魅力的なものでした。

スクール受講前の悩み

独立して事業を始めたばかりの時期で、事業の方向性が定まらず、自分の仕事に迷いがありました。また、出版のメリットを強く感じつつも、資金繰りのことでスクール受講の時期を「今」にするか次回以降にするかでも悩んでいました。

スクールに参加してよかった事・苦しかった事

良かったことはいくつもありますが、まずは、自分の事業の方向性が定まったことです。スクール序盤のプロフィール作成を通じて、「自分には地球科学(長年やってきた学問)しかない」ということに明確に気づかされました。これは本当に自分にとって大きなことで、それ以降、事業の方向性でブレることが全くなくなりました。

 

そのほか、共に切磋琢磨した同期の仲間ができたこと、他の受講生や松尾先生からビジネスの考え方を学べたこと、編集者の気持ちがわかったこと、出版できたこと、出版社やメディアに繋がりができたこと、行くだけで楽しく元気をもらえたこと、などなど、良かったことはたくさんあります。また、出版後には監修の仕事もいただけるようになりました。

 

苦しかったことは、プロフィールや企画書を作成するための、膨大な作業です。自分と向き合いながら、スクール期間中はほぼ毎日格闘していました。貴重な体験ですが、やはり大変でした。

出版まで・できあがった本の感想

スクールを終え、ありがたいことに出版社11社から面談していただけることになりました。いくつかの企画を同時進行で進めていたところ、1冊目を著書をスクール修了から9ヶ月後に、さらに2冊目をその1ヶ月後に出版することができました。3冊目の制作も順調に進んでいるという状況です。

 

本ができ上がって、自分ももちろん嬉しかったのですが、実家の母と兄がとても喜んでくれたのが何よりでした。そして、本という形ある成果物ができたことで、より一層自分の事業の方向性が固まったように感じています。自分の本当にやりたいこと、そして人が喜んでくれることが何なのかを、再確認できました。

メッセージ

書店流通のない自費出版でも、最低300万円ほどのお金がかかるそうです。幸い私の場合は、スクール修了後1年以内に2冊の本が出版できましたので、少なくとも600万円以上の価値があったことになります。さらに商業出版に伴う広告効果、知名度・信頼性の向上を考えれば、さらにそれ以上の価値になります。印税もいただきましたし、海外での翻訳出版にも至りました。

 

私にとって、スクールの受講費用は決して安くありませんでしたが、こうして振り返ってみると、見返りの方が遥かに大きいものでした。素晴らしい仲間もたくさんできました。本当に良い経験ができるスクールだと、自信を持ってお勧めします。

プロフィール

渡邉 克晃(わたなべ かつあき)
サイエンスコミュニケーター/地学博士

 

1980年、三重県四日市市生まれ。広島大学で地球科学を学び、鉱物学の研究で博士号を取得。卒業後は物質・材料研究機構(NIMS)、東京大学地球生命圏科学グループ、環境省原子力規制委員会にて鉱物学および地球微生物学の研究に従事。2020年よりフリーのサイエンスコミュニケーター。一般向け科学書の執筆・監修、地質写真の撮影、現地調査・実験、YouTubeでの動画配信などを行っている。株式会社サイバー大学のオンライン教育事業にも参画中。