佐瀬貴之 Takayuki Sase
(ファイナンシャルプランナー)
佐瀬貴之FP事務所 所長
著書のご紹介
2008年1月、「だまされずにお金をふやす本当のルール」を出版。三省堂本店 ビジネス書ランキング1位、アマゾン総合ランキング10位を獲得。
世の中は温かい一面もあるけれど、非常に冷淡な一面もある。 善い人もいるけれど悪い人もいる。 ボランティアをやる人もいれば、人を騙してお金を奪う人もいる。
「無知無能な者は敗残者となる」
この言葉を聞いた時は、ショックだった。 性善説を説く教育に従順だった僕は、世の中は善人しかいないと本気で思っていた。 でも社会に出て、いろいろなものを見たり聞いたりして、いわゆる社会勉強を積んでいく過程で、すべての面で性善説を信じることは危険なことがわかってきた。
本当に世の中には善い人もいれば悪い人もいる。 自分の心の中にも善悪が入り混じって存在している。 それは良いとか悪いとかいう問題ではなく、紛れもない事実だ。
無知無能な者は敗残者となる − 確かにそうだよね。 知らないことをわざわざ親切に教えてくれる人もいることはいるけれども、 それは自分にとって利益となるから教えているだけで、本当に何の見返りもなく善意のみでそうした行いをする人はごくまれだ。
とにかく知らない人にわざわざ懇切丁寧に教えてくれる人はあまりいないってこと。 ただ単に知らないということが、何の影響もないのなら問題はない。 けれども世の中ってヤツは、そういう風にできていないようだ。 世の中では、知らないってことは、知っている人にいいように利用されてしまうってことらしい。その最たるものはお金に関すること。 お金については、とかくお互いの利益が背反したりすることも多いから、 わざわざ自分に不利になるようなことを相手に教えたりしないもんね。
無知無能な者は、実はものすごく大きな損をしていることが多いと思う。 実際自分もずいぶんそういう目に会ってきたし、自分はいいように利用されてきたなとつくづく思う。今の自分の知識や経験があの頃の自分にあったら、どれほど金銭面で楽になっていたことか。 でも過去は取り戻せない。 過去の自分に教えてあげたいことは山ほどあるけど、できないならば仕方がない。 でも、自分の知識や経験は無駄なのだろうか。何か役に立てる方法はあるんじゃないのか。 そう考えた末に行き着いたのがファイナンシャルプランナーという職業だった。
今までの経験と持っている知識を活かせる職業。あぁ…なんて格好良い響き(笑)。 こんなことを書いたら、格好ええしいの嫌なヤツだなぁ。うん。 いっそのこと…無償でボランティアでやってみれば?…えっっと…そのぉ…。 「そこまでええ格好しいにはなれませんです!」 これが16年半も続けていたシステムエンジニア(最後はプロジェクトマネージャ)の道から ファイナンシャルプランナーへの転身を図ろうと思ったきっかけだ。